オオスズメバチ(大雀蜂)は、ハチ目スズメバチ科に属する昆虫のうち、スズメバチ亜科(Vespinae)に属す。スズメバチ類の中で最も大型のハチで、性格は概ね獰猛。1匹の女王蜂を中心とした大きな社会を形成し、その防衛のために大型動物をも襲撃する。日本で最も危険な野生動物であり、熊害や毒蛇の咬害よりもスズメバチによる刺害の死亡例の方が遥かに多い。
「スズメバチ」の名は、その大きさが「雀ほどもある」または「巣の模様が雀の模様に似ている」ことに由来する。また、地方により「くまんばち」(熊蜂。クマバチは別種)や「かめばち」(巣の形より)などの名がある。学名の中の種小名のmandariniaは、その派手な警戒色を華麗な制服を着た清朝の官僚になぞらえたものである。
スズメバチに対する「くまんばち」の呼称は全国的にみられるが、これはむしろ大型ハチ類の総称とみなすべきである。
「ベスパ」(vespa)はスズメバチのラテン語
スズメバチはバッタなど、他の昆虫を肉団子にしている印象が強く、凶悪な外見も相まって肉食と考えがちだが、実は成虫の主食は昆虫類などではなく、主として幼虫が口から分泌する栄養液で、成虫が肉団子を幼虫に与え、幼虫がミルクを出して成虫を養っているという構図で、他にはキノコや蜜など、意外と可愛いものが主食である。
しかし幼虫にあげる餌には容赦なく、特に7月や8月といった昆虫のピーク時には、コガネムシなどの硬い甲虫でさえも大顎で噛み砕いて肉団子にします。そしてもう1つ、オオススズメバチの大きな特徴といえば、「マスアタック」です。これは、同じオオスズメバチの巣の集団が、他の種類のスズメバチやミツバチの巣を襲い、全滅させて、中にいるよう幼虫やサナギを全部自分の巣に持っていってしまう行動で、オオスズメバチ特有の行動である。
スズメバチの巣は、ハニカム構造の部屋が横に数十部屋並んだ巣の周りを同じ材質でできた外被と呼ばれるもので覆ってある。囲いは巣材を採集する働き蜂の個体ごとに、異なる枯れ木や朽木、樹皮などの採取場所を持つ。このため、何個体もの働き蜂が持ち帰った何種類もの材料を用いて、一部ずつを魚の鱗が成長するように塗ってゆくため、色違いの鱗模様に彩られる。
毒液は様々な微量の生理活性物質の複雑な混合物であり、別名「毒のカクテル」と呼ばれる。(ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリン、ホーネットキニン、マストパラン、マンダラトキシン、ベスパキニン、ホスホリパーゼ、プロテアーゼなどが主成分)
毒針、毒嚢、毒腺は生殖器が変化した物で、刺すのは雌だけである。(これは、他の蜂にもいえることである。)女王蜂も毒針こそ持つものの、攻撃性は低く、刺すことはほとんどない。
と、怖い印象ばかりのスズメバチだが、人の生活との関係は大昔から強く、
主に食用や害虫駆除(成虫が幼虫の餌として大量の昆虫を捕獲し、その中に害虫も多く含まれる性質を利用)他に薬として、漢方では雨つゆに当たったスズメバチの巣を動物性の生薬として露蜂房(ろほうぼう)と呼び、粉末や黒焼にして煎じて用いるか、酒と一緒に服用する。殺菌解毒、鎮痙、鎮静作用があると言われている。
地方によってはハチがいなくなったスズメバチの巣を魔除けとして軒先に吊り下げる風習もあり、また、軒下にキイロスズメバチの巨大な巣が営巣されるのを「長者蜂」と呼び、刺激しないように共存しながら縁起物として尊ぶ風習もある。
本作品は、胴体、足、顎などに加え翅も稼動するように制作。スズメバチの特徴である毒針も可動。